マウントアダプター経由で使うオールドレンズで困る問題は、EXIFに何も情報が入らないことです。これはm4/3準拠のレンズでもコシナ Voigtländer NOKTONシリーズとSamyangは電子接点を持っていないためオールドレンズ同様EXIFに何も入りません。これはEXIFのタグデータを編集できるアプリがあれば解決するはずです。
以前も検索したのですが、どうもよさそうなのがみつかりませんでした。そこで2chに質問してみました。条件は「Macで使えること」。するとExifToolを薦められました。
ExifToolはWindows版じゃなかったっけ?と思いながら改めて検索すると、なんとこれはperlで書かれていました!ならばMac OS Xでは最初からperlが入っていますからWindowsのようにActivePerlをinstallして、それをメンテしてとかいう問題もありません。ExifToolは単にレンズ名だけが入れられるわけではなく、EXIFその他のタグを表示、変更できるツールです。電子接点のあるレンズと比べると、レンズ名、撮影焦点距離(単焦点レンズならレンズの焦点距離と同じ。ズームの場合だと距離目盛を見てメモでもしない限りわからない)、最小焦点距離と最大焦点距離(ズーム。単焦点レンズなら両方は同じ値)、開放F値、撮影F値辺りが入れたいタグになります。
このホームページを読んでいると、ExifToolを使っているGUIアプリが紹介されていました。コマンドラインでも構わないのですが、複数の写真を一気に指定するのにはコマンドラインで一々写真のファイル名を手で打つよりもGUIでfile open dialogでクリックで複数選択の方が楽で、従って間違いが少ない。その結果:
の組み合わせにたどり着きました。ExifChangerは有料($9.99)ですが、まあまあ妥当なところかな、と。ところで、EXIF:MaxApertureValueは、格納されている値はAPEX値だけど、表示はF値(を表示するアプリが多い)というちょっとわかりづらい仕様:
- Exif Tag
- EXIF tag name documentation (pp.159 Annex C)
exiftoolsの作者とdiscussionしました:
返信削除http://u88.n24.queensu.ca/exiftool/forum/index.php/topic,4782.0.html
Mac OS Xの挙動は、Mac OS XはAPEX値そのものを表示しているようです。
exiftoolは、表示の際F値に変換している(作者の回答)。
ExifChangerの作者にも質問してみたところ、彼もMac OS Xがバグっていると思っているようですが、その値をそのままだしている。なぜexiftoolの出力を使わないのか不明。
私が混乱した遠因があり、もともと絞りのF値というのはややっこしい。デジタルカメラ(というか自動露出のカメラ)しか知らないとわからないが、昔の絞りを手で動かす時代だと(今でも、電子接点がないコシナのNOKTONやSamyangは手動絞りリング式。またオールドレンズ遊びをするなら当然手動絞りリング)、絞りの値のステップに1/2段式と1/3段式の二つがある。これらの数字をみると、1/2や1/3をきっちり表した(四捨五入した)数字になっていない。時に1/2段と1/3段で同じ数字になっていたりする(√2を1乗から1 1/3乗 1 1/2乗 1 2/3乗…とやってみればわかるが、四捨五入しても、絶対に1/2と1/3や2/3の数字が同じになることはない。)なので、私は、実際の値はきっちり1/2や1/3になっているが、F値として表す時だけ慣習的に6.3とか1.7といっているのだ、と思っていた。なので、APEX値はきっちり6 1/3とか 1 1/3 (1.3333)が入っているものと思っていた。が、どうもそうではなく、本当に6.3ちょうどや1.7ちょうどに相当するAPEX値が入っているようだ(Macの値をそのまま使ってF値を計算すると、ぴったりと絞りの表記に使われている数字になる。決して理論値である6.3333とかにはならない)。これがわからなかったので理論値とも違う数字出し、当然F値そのものでもない。ということで混乱していた。