2016年12月23日金曜日

E-M1 II 暗所 ― 続・ギャラリートーク ー 特別展「世界遺産 ラスコー展~クロマニョン人が残した洞窟壁画~」 @東京国立科学博物館

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に再び上野の国立科学博物館へ 「世界遺産 ラスコー展」ギャラリートークに参加しました。担当講師は海部陽介博士。

先週の五十嵐ジャンヌ先生のギャラリートークが、想像とちょっと違って面白かったので、金券ショップでチケットを手に入れて最終回となる海部博士の回にも参加することにしました。

集合場所に居たところ担当スタッフの人に「先週来た人ですよね」と言われてしまいました。

そして、この日のお昼に届いたばかりの オリンパス OM-D E-M1 Mark II を、充電も60%ほどしかする時間がないまま、設定もほとんどしてない状態で持ちだして、暗い展示会場で、高ISOでのノイズの感じ、低速シャッターでの手ブレ補正の感じをみてみました。

E-M1 IIのオリンパスによる売りをみると、2大項目は

  • 動体性能: 高速連写とAF-Cの追従性
  • 暗所性能: 手ブレ補正と新センサー

だと思えます。動きものは撮らないので試そうにも経験不足です。しかし暗所でのノイズと手ブレ補正は、奈良の燈花会やライトアップで割と撮っていますし、イベントレポートでは暗めの室内撮影ばかりですので、普段から気にしている撮影項目です。

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会場でも設定していたくらい、準備不足でしたが、ある意味このチャンスを逃す手はないと言うことでやや強行気味に行いました。そこで早速、JPEGの圧縮率の設定をFineにしてしまいました。「ここ、オリンパスって何か落とし穴あった気がしたなあ」と思いながら色々設定項目を見ていたのですが思い出せず。あとから「Super Fine」があって、わざわざ設定でこれが選べるように表に出してやらないと行けないことを思い出しました。

他に、SDカードを2スロットとも入れたのに、第2スロットのSDカードがどうやら認識されてない(第2スロットが使われてない)ことに気づいたのですが、これは家へ帰ってマニュアルを見て、どういう風に使うかという設定が別のところにある(RAWとJPEGをどのように配分するかの設定と分かれている)のを発見。最初はスロット1だけしか使わない設定になっているという、非常識な設定(コンピューター時代にあるまじき発想)。これは今回は実害はありません。一枚のSDカードにRAW+JPEGがしまわれました。

  • すべて手持ち撮影
  • 今回掲載はJPEG撮って出し。RAW現像もJPEGのレタッチもせず
  • ピクチャーモード: Flast
  • コントラスト: -1
  • シャープネス: -1
  • WB: 3800K(館内のみ)
  • レンズ: パナソニック LEICA DG SUMMILUX 12mm / F1.4 ASPH.

という条件です。

なぜ、LEICA 12mmかというと、一つにはオリンパスの12-40mmを初代E-M1と一緒に手放してしまい(レンズキットだったのでレンズ付きで売却)無い。さらに代わりにオリンパス M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROを購入することにしたのですがこれが品切れで次回到着待ちだったからです。

12-100mmは、この数時間後帰りの山手線の中でマップカメラから入荷の電話が入りその日のうちに購入してきました。次回入荷を予約する際、多分E-M1 II発売日に合わせて品切れのPROレンズを一定数出荷してくるだろうと予想していました。ただ私の分まで来るかどうかも分からないなあと思っていました。予想は当たったのですが、前日とか朝に連絡が来るのではなく、その日の夕方に連絡が来るのは予想していませんでした。おそらく会社員の退社時間に合わせて電話連絡をしたのではないかな、と思いました。

と言うことで、明るい単焦点で、前回2回の経験からこの会場で適切な焦点距離となると標準から広角だなということになりました。

本来互換性のあるマウントのはずですが、現実にはオリンパスのボディーはオリンパスのレンズに最適化している感じはあります。さらに上述の「売り」の手ブレ補正は、レンズ内手ブレ補正を内蔵したオリンパスのレンズで5軸シンクロ手ブレ補正を試さないと完璧ではないとは思いつつも、レンズ内手ブレ補正内蔵のオリンパスレンズを持っていません。12-100mmが間に合っていれば、それが標準から広角をカバーしていたので適切な候補でした。

WBは、会場の薄暗くて赤目の雰囲気が残るようにするためにAWBではなく手動で設定。前回は4200Kとかだったようですが、すっかり数値を忘れていたのでEVFを見た感じでこの値に決めました。

ピクチャーモード「Flat」は、最近はオリンパスは少し硬い感じかな?と思い、これを選んでいます。先日のPhoto Festaでのモデルさんの撮影で「Flat」を使っていますがそれでも硬いので、今回は勘で、コントラストとシャープネスを-1目盛りしました。この二つの設定は±2目盛りしかないので、-1というのはそれなりに大きい数字(メーカーの想定上では)のはずです。例えばLUMIX GX8では±5目盛りあります。

今回は木曜なので夜間延長日ではなく5時閉館なので、午後に行われたのですが、すごい参加人数で驚きました。他の観覧者が通れないくらい。冒頭の写真で少しその様子がわかると思います。

クロマニヨン人の復元像ですが、こんな感じ。フランス人風なのでそもそも肌の色が日本人と違いますし、ライティングが無いどころか、展示物の保護のために暗めの白熱灯色の照明になっているので色々判断しづらいでしょうが。以前のblogでGX8で撮ったものがあります。

顔優先AFはよく働きました。しかし瞳優先AFについては、上の男女二人の方の写真くらいの顔の大きさになるとどうも検出していないようです。GX8だともっと小さい顔でも瞳を検出していて、顔に漠然とピントを合わせているのと、瞳の位置にピントにピントを合わせているのは等倍で見れば一応少し差があります。

女性一人の方の写真ではどうやら瞳AFしているようで、等倍でみると向かって右の瞳にピントが合っています。

シャッター半押し(AFL)の時にピント位置(=瞳)に緑枠が点灯するはずですが実際にはAFのずれを防ぐため半押しで止めないので瞳を検出しているのかどうは全く分かりません。

いずれにしても、顔優先AFと瞳優先AFは通常のS-AFよりはるかに強力なので使わない手はありません。顔・瞳にAFする(そこにAFターゲットを持っていく)のは、カメラに任せて、自分は構図やシャッターチャンスなど撮りたいことの方によりシフトする方がよいでしょう。

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ISO 2500
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ISO 6400

洞窟を再現した「第4章」の部屋。洞窟を再現しているので非常に暗くなっていますので、Pオートで撮らせてみたところ、絞り開放、手ブレ予防にシャッター速度1/60sとなったので高ISOとなりました。

結構ノイズは少ないと思います。ISO 6400の写真は、もう少しディテールをシャープに残したいならRAWからノイズ除去すればいいはずです。Lightroomだとかなり壁面のザラザラ感を強調してくる感じなので(前回のblogでGX8のケース)、少し抑えめに現像しないと実物と違い過ぎます。このE-M1 IIの撮って出しJPEGは悪く無いと思います。

設定の「高感度ノイズ低減」を「標準」から「弱」にしてみて試してみる価値もあるかもしれません。初代E-M1ですとここをいじっても帯に短し襷に長しな感じでしたが、新センサーはノイズがきめ細かい上に画像エンジンの演算力を上げてあるのでE-M1 IIではよい結果になるかもしれません。

ただこれだけノイズが上品ならば、「高感度ノイズ低減」は「標準」のままで撮って、基本撮って出しJPEGで、ノイズが気になったらRAWから現像というのが一番効率よいかもしれません。

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国立科学博物館名物のクジラ像。これはWB「晴れ」で撮っています。他は何もしていなくてPオートだったはずです。

照明が当たっているのでそこが白飛びしたり、背後の空がノイジーになったり不自然に明るかったりするということもなく、明暗差をうまくJPEGに落とし込んでいる感じです。

海部博士のギャラリートークは大変な熱弁でした。東京の人らしい早口で、クロマニヨン人の芸術センス、文明度が如何に高いかを端的に表現。またオリジナルの巡回展の内容にプラスして、日本独自の展示としてフランスの国立博物館からクロマニヨン人の遺物を借りてきている(「第6章」)ことについてその貴重さ、また遺物の芸術、技術の高さについても沢山解説。

ちなみに、フランスから借りてきた遺物は、この後の日本の他の博物館への巡回では貸し出されずフランスへ帰るそうです。

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AF合焦せず
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AF合焦マーク点灯
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MF
東京文化会館

何気に撮った豆電球(LED)の電飾ですが、全然AFしませんでした。9点グループターゲット。たまに合焦マークが点きますが、合っていません。

これは絞り開放F1.4ですが、F4でも試していますが全く同じ結果です。

E-M1 IIは点光源多数に弱いのかな?

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点光源多数に弱いか、というとそんなに単純でもないようです。上野公園の桜並木のライトアップは、百発百中でAFしました。

途中で気づいて、最終的にはF4.0、ISO 200にして普通に立ってEVFを覗いて撮ったところシャッター速度 1.3s ですが手ブレは0。

撮っていくうちに段々体が揺れるようになってきてしまいましたが、全く手ブレ写真にならず。

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Pオートお任せ: ISO 2000 / F1.4 / 1/60s
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ISO 6400 / F4.0 / 1/30s
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ISO 200 / F4.0 / 1s
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階調: オート / ISO 200 / F1.4 / 1/8s
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階調: ローキー / ISO 200 / F1.4 / 1/13s
国立科学博物館日本館(重要文化財)

最初の写真がPモードお任せ。エントランスの照明とか、正面の円柱上部と梁辺りのライトがあたっているところとかが白飛びすることなく撮られています。

次がF4.0に絞って解像度を出した分ISO 6400になってしまいましたが、かなりイケます。初代E-M1ですと空のノイズ辺りには癖の強いノイズが乗ることがありますが、そういうことがありません。

次は、手持ち、低ノイズのISO 200、解像度のF4.0と欲張った結果、シャッター速度1秒となりましたが手ブレせず。これは数枚撮っていますが一枚もブレず(三脚と比べれば微ブレしているかもしれませんが)。前述の例も合わせて、私の体でも1秒は大丈夫ということかな、と。

階調「オート」にすると何かいいことがあるかな?と試しましたがほとんど違いがわかりません。

続いて階調「ローキー」にしてみたら何かボロが出るかな?と思ったのですがきれいに撮れました。

階調設定は、初代E-M1では明るい逆光で使ってみたことがありますが、いい印象がありません。LUMIX GX8のiDレンジコントロールの方が遥かに使えます。演算能力が上がっているので、E-M1 IIを逆光で使ってみてどうなるか見てみるとどうなるか?少なくとも夜景では階調「ローキー」は結構使えると思いました。

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変わったところでは、E-M1 IIには「レンズ情報登録」(取扱説明書 p.134)という機能があります。

電子接点の無いレンズ(通信ができないレンズ)の情報を登録しておくことができ、それらのレンズをつけた際に手動で登録のなかから一つを指定することができます:

  • レンズ名: EXIFへ
  • 焦点距離: EXIFへ。ボディー内手ブレ補正の焦点距離設定へ
  • F値: EXIFへ

登録内容はこのように扱われます。私もさっそくやってみて、LightroomでEXIFをみてみました。写真に写っているなかで最初の二つは、もともと入っていました。3つめのキヤノン new FDレンズが私が自分で入れてみた情報です。

レンズ名は英数記号(大文字小文字)で入れられます。

完全にオールドレンズ向け(オリンパスなのでOMのレンズを意識しているのかもしれません)の機能です。すばらしい。既存のデータを編集した後保存するさいに「上書きする」か「新規登録する」かを聞いてくるのも、一度入れた情報を使って入力する手間を省くことを想定していて大変よく出来ています。大抵の場合焦点距離や開放F値の数字だけが違うレンズ名になるわけですから。

惜しいのはF値はEXIFに入るので、レンズの絞りを変えるたびにここを編集しなおさないといけないわけですが、毎回通常の「編集」モードに入る必要があり結構手間がかかることです。

F値は「*F5.6」のように登録したF値に「*」が付いてファインダー/モニターに表示されます。これを逆にダイヤルで表示しているF値が変えられるようにしてそれが自動的にEXIFデータとして使わるように出来ないでしょうか?

電子接点無しレンズで、フォーカスピーキングができません。これもちょっと惜しい。

(2016年12月23日追記

薄暗いところで試しているとピーキングが検出されないだけでした。明るいところで使えばピーキングが付きました。

電子接点なしレンズではFnボタンに「ピーキング」を割り当てて呼び出すか、マルチFnボタンで「ピーキング」を選択して呼び出すことでピーキングのモードに入ります。

ところで、マルチFnボタンだけを使って「拡大+ピーキング」にすることは可能です:

  1. マルチFnに「ピーキング」をアサインして、マルチFnボタンで「ピーキング」をオンにする
  2. マルチFnボタンに「拡大」をアサイン(押して上げてしまうと「ピーキング」がオフになってしまうので押し込んだ状態をしっかり維持すること)
  3. マルチFnボタンで「拡大」をオンする

充電が約2時間で満タンにできるようになりました。初代は約4時間かかります。またLEDの点滅速度で何%充電されたかが3段階で分かるようになりました。これらはすばらしい進化です。ただ、点滅速度が1秒間に1回、2回、3回となっていて、特に2回と3回の区別は付きにくいです。エラーのときは緑で5回/秒となっていますので、充電の第3段階(100%未満80%以上)も5回/秒くらいはっきり違う数字にするか、モールス信号みたいに「・」「・ー」「・・ー」と点滅パターンを違えるとか、もう一工夫完成度を追求して欲しかったです。充電器のファームウェアアップデートは無いのでしょうか?

オリンパスはSDカードに自由に名前(ボリューム名: PC/Macでマウントした時に出てくる名前)を付けることができませんでした。確かE-M5ではハングした気がします。E-M1では勝手に「NO NAME」に直されました。

E-M1 IIで試したところUHS-IIの第1スロットではどうやら自由に名前が付けられるようです。一方UHS-Iの第2スロットは以前同様、写真を書き込まれた時に強制的に「NO NAME」に改名させられていました。

なぜ第1スロットと第2スロットで挙動が違うのかわかりません。私が試したのがSDXCカードとSDHCカードという違う組み合わせだったのでSDHCカードだけ「NO NAME」なのかと言うと、LUMIXでは昔から自由に名前が付けられるのでSDHCカード自体の制約ではないと思います。

複数のカメラを使っていたり、今回のE-M1 IIのようにスロットが二つあると、PC/Mac上でSDカードの名前で区別が付けられないと不便ですし、他のSDカードと間違って何かを消してしまったりする可能性があります。第1スロットで自由な名前が使えるようになっているのですからぜひ第2スロットも自由な名前が使えるようにして欲しいです。

上野公園は結構野良猫がいます。公園に来る人が構っているようです。E-M1 II + 12mm ではちょっと遠かったので予備に持ってきていたLUMIX LX100で撮ってみました。

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