に、東京藝術大学へ「バーミヤン大仏天井壁画」(Internet Archive)をみにいきました。
「特別展『黄金のアフガニスタン-守りぬかれたシルクロードの秘宝-』」の関連で、海外へ流出した遺物のなかから、日本が保護、返還のために買い取って収集したものが展示されています。
目玉は藝大がクラウドファンディングで集めたお金で、破壊されたバーミヤン大仏の天井壁画をかつて撮影した中判写真と天井の3D形状の測定データから表面の感じまで復元したものです。
フラッシュを使わなければ撮影OKということだったので、色々と写真が撮れました。
場所は、いつもの藝大美術館ではなく、向かいにある陳列館。
復元天井画は2階に展示されています。奥の壁には、壁画のあった場所に近いところから実際に撮影した風景が投影されています。
「フランス隊をはじめ、これまで各国が本石窟の調査を実施してきた。しかし、壁画が残る壮麗な石窟に調査が集中し、石窟の数や分布といった全体構造をうかがうための基礎的な作業すら行われていなかった。そこで京都大学中央アジア学術調査隊は1970年から1978年にかけて、石窟全体の番号打ちと全面的な測量調査を敢行し、バーミヤーン石窟の全貌を明らかにした。」
1階の順路の最後に、壁画復元についてのパネルがありました。
- 1970年代に京大 樋口隆康先生の調査団がブローニー版15000枚近くのポジフィルムで撮影。この中にある150点に東大仏仏龕天井壁画が写っている。これを高精細デジタル化
- 大仏破壊後にドイツ・アーヘン工科大学調査団によって計測された3Dデータから天井アーチの形状に合わせて画像を補正
- 復元結果の完成度を上げるため、一旦原寸の60%の大きさで出力し、そこに彩色、復元を行ってから再度デジタル化
- 和紙にインクジェットプリンターで印刷。復元した天井に貼り付け、日本の伝統技術である模写によって岩絵具で彩色を追加
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