2016年5月18日水曜日

技術研究会「デジタル時代の三脚&一脚選び」 @日本写真家協会

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にJCIIビルに日本写真家協会主催の「技術研究会『デジタル時代の三脚&一脚選び』」(Internet Archive)を聴きに行きました。

講師は土屋勝義先生。

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スクリーンのパース歪を減らすために、オリンパス OM-D E-M1の「デジタルシフト」機能を使って横にシフトしました。

講演会での撮影でプロジェクターのスライドを撮る場合、座席が真正面を確保できないとスライドがゆがんで撮れてしまいます。座席の確保も難しいですが、正面の席というのは前の人の頭がもっともよく入る位置でもあります。また、正面で写真をバチバチ撮られるのもどうか、ということもあるかもしれません(というより私はそういうことを気にするので、どうしてもシャッターチャンスが中途半端になってしまいます)。

そこで最近ようやっと、v.2.0に入っていた「デジタルシフト」を使えばいいんだ、ということに気づきました。今まではApertureやDxO Optics Proで直していました。

ダイヤルを回して効果(補正)を決めるのですが、補正のステップは少し荒いので完璧な長方形にはなりませんので幾何学的に正確な写真が必要な場合はMac上でソフトウエアで直すことになると思います。しかし、スナップのようなものでは「見た感じで自然」ならいいわけで、その点ではLVF/背面モニターを見ながらダイヤルをぐるぐる回して直感的にできるのはよいシステムです。

シフトすると画面の端の部分が切れてしまいますので、家に帰ってからMacで直す場合どれほどトリミングされてしまうかが撮影時には正確に把握できません。しかしこの「デジタルシフト」はその場でファインダーに結果が出ているので、切れてしまったらズームの倍率を変えることが出来ますので、必ず「切れてない」写真が得られます。

注意点その1は、現在(v.4時点まで)は縦方向のシフトか横方向のシフトかどちらかしか選べないため、斜め下、横からの撮影は完全には補正出来ません。講演会ではスライドを見上げる形がわりと多いと思うので、ちょっと惜しい。今回は部屋が普通の会議室でしたからカメラを少し持ち上げ、ティルト液晶を下向きにしてそれを見ながら撮りました。

注意点その2は、毎回シフト量をいじって撮れるほど余裕はないと思いますので(スライドが次へ行ってしまう)、一度シフト量を決め、自分の構えるアングルを変えない(なるべく同じにする)こと。

注意点その3は、一度シフトを設定してしまったら、通常の撮影はほとんど出来ない。デジタルシフトをオン・オフするのが面倒なのです。人を撮ったり会場風景を撮る際はデジタルシフトは切ってあったほうが自然だと思います。オンオフのメニュー操作は慣れで早くできるかもしれませんが、私はそこまでカメラに命かけてないので、無理です。もしかするとFnボタンにアサインできるのかな?あるいはマイセットで憶えるでしょうか?(マイセットが空いていれば、ですが)。Fnボタンとかマイセットにできるならかなりうまく切り替えできる気がします(特にマイセットの場合、ダイヤルやFnにアサインする方法だと、ほぼ瞬時に呼び出せる)

ついでに: こういうところでは「静音シャッター」モード(電子シャッター)にすると、私はとっても安心して撮れることがわかりました。シャッター音が響かないのがいいです。

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前半に三脚メーカー3社の営業の方にいろいろ話してもらったのですが、これは失敗だったと思います。

各社、牽制しあって、営業トークに終始してしまいました。私が期待/想像していたのは、三脚や一脚の技術的なこと(経験則や感覚的な説明は写真家の方からきけるので、メーカーからは技術的裏付けを示しての解説)でした。

これは、3社を呼ぶのではなく一社だけを呼んで自由に話してもらうのがよいと思います。「平等」というなら、3回やればいいと思います。東京でやるのですから「無理やりまぜてもらって聞く気がない客にアピールして売り込みたい」というほど客への露出が少ない土地ではわけではないのですから、「1社だけでやったら、客に選ばれて、認知度を上げるという機会を得られないのでいやだ」なんていうことは関係ないでしょう。

一脚のロックに、レバー式と回転式(ベルボンのVロック含む)がありますが、Manfrottoの方が「カーレースを撮っている人から話をきくと、絶えず上げ下げして微妙な調整をしているので、ロックする際回転式だと体もねじれて被写体を見失いシャッターチャンスの逃すのでレバー式がよいという声があった」という話がありました。

私は動きモノを撮らないせいか、腕が悪いせいか回転式のそのような問題に気づいていません。電車移動でひっかかりづらい回転式(ベルボンのVロック)を好んでいます。レバー式だとレバーに周りの人の衣服やヘッドフォンのコードがひっかかる可能性があるので、なるべくつるんとしていてなおかつポールより出っ張らないものがいいです。電車でザックにつけているときに誰かの何かにひっかかる、という心配がありません。

土屋先生の話す時間もなんだか減ってしまったような気がしましたが、時計をみていないのではっきりしたことは言えません。

もうひといきまとまりが欲しかったような。箇条書きのスライドを一枚だけは用意しておくという作り込みがあればかなり解決した問題だった気がします。

土屋先生は、三脚のマナー問題について、もう少し語る、さらに参加者の反応を引き出すということがしたかったんじゃなかったかな?という感じがしたのですが時間不足になってしまいかなり不発な感じがしました。

土屋先生のお話をきくと、三脚のトラブルの広がり具合はかなり深刻なようです。奈良でもいくつかの寺社、植物園などで三脚、一脚禁止のところがありますが、まだ少ないです。事態はもっと深刻なようです。

私も氷室神社の献氷祭で、ベテランらしい老人が、一番いい時刻にさっと来て、ぐるっと氷の灯籠をみて品定めしたあと、2〜3時間三脚を据えてその灯籠を撮り続けられたため、全景の写真が閉門直前のほとんど氷が解けたときまで撮れなかった経験があります。夜景なので超長時間露光すれば人が消える…かと言えばこの老人三脚据えてずっと撮っているので消えないわけです。他の観光客や手持ち撮影の人は大抵長時間露光で消せましたし、そもそもじっと粘れないので5分も待っていれば動きます。

日本写真家協会の技術研究会ですから、マナー問題にまつわるデジタルカメラ界についてこそがもっとも時間を割かれるべきだったのではないでしょうか?日本写真家協会さん。こういうところでやらずして他にどこでやるんでしょう?

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