11月12日(木)に江戸東京博物館へ「浮世絵から写真へー視覚の文明開化ー」(Internet Archive)をみにいきました。
江戸時代の浮世絵の、風景画、美人画の構図が、明治に入って伝わった写真の撮り方にも影響していることを展示、という面白い企画です。
江戸東京博物館は総武線で秋葉原駅から数駅、両国駅で降りて線路沿いに少し歩くと到着。ただし敷地から入り口までが意外と遠いので駅から博物館玄関までは少し時間がかかります。
駅の出口の反対側にあるため、駅の横へ回りこんで線路をくぐります。
するとそこには両国国技館。この脇をJRの線路沿いに進む形で江戸東京博物館へ続く道を進むと江戸東京博物館。
常設展は外の大階段を上がって二階から入る形になっています。特別展は一階で行われ、この大階段の下にある一階入り口から入ります。
一階には酉の市の熊手なども飾られ、ロッカーもわかりやすいところに多数配置され、レストランや、墨田区観光案内などもありました。
展示の量は意外とありました。もっと簡単な企画かなと勝手に想像したいたところもあって、どこまで続くんだろうと思って一旦出口まで行ってみたほどです。
ただし、写真と浮世絵の対比、みたいな展示がたくさん、かと思ったら意外と少ないです。
最初に浮世絵の構図の話からはじまるのですが、これが少々間延びさせる感じがあります。
また、幕末に西洋画の影響を受ける浮世絵の作風の解説や、白黒写真に着色してカラー写真にする技法に浮世絵の美意識が入っていたりという辺りの技術的解説も、ちょっと私にはくどかったです。
ということで「写真と浮世絵の関係をずばり、目で観たい」というなら、真ん中辺にありますので、入り口の方の展示はさっさと飛ばすのがいいと思います。
一方、終わり1/3辺りでは、日本最初の「百美人写真」と浮世絵の「百人美人画」の対比や、なぜか突然、廃仏毀釈や文明開化で廃れていた、寺社や骨董品の保存写真などの展示になり、非常に興味深かったです。
寺社の写真では、約130年前の東大寺大仏殿などあり、個人的には非常に興味をもちました。私はやっぱり写真は「記録」に価値を置いているんだなと感じました。これは百美人写真についても同様でこれをポートレート写真とみるより「当時の美人とはこういうものか」とか「スタジオセットの美意識はこういうものか」という記録性に非常に興味を持って眺めていました。
展示は写真禁止ですが、一番最後のこの写真だけは撮影可となっていました。
結構な人が、持っているスマートフォン/タブレットで自分が横に立った記念撮影をしているのが私には不思議でした。
浮世絵の力士絵が並んだあとに、この両国国技館に掲げられている写真が展示されて力士の肖像の構図の美意識の共通性を挙げています。
またこの優勝力士写真は、白黒で撮られそこに彩色をしているという点でも明治時代のカラー写真の発想と全く変わっていないことを示しています。
この手法によるカラー化が、製作者の引退によって終了されることも私には極めて日本的に感じました。引退後の2014年からはインクジェットプリンターが使われているそうです。
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