2013年12月8日日曜日

エプソン ニューフォトフォーラム 2013 @渋谷ヒカリエ

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代々木、新宿: 渋谷ヒカリエ11階から

2013年12月7日(土曜)にエプソンからのダイレクトメールで「エプソン ニューフォトフォーラム」(Interenet Archive)をみに、渋谷ヒカリエへ。

印刷はハマると大変そうなで避けているのと(とりあえずカラープリンターを買ってあるという状態)、私がカメラをやることにしたきっかけは「カメラが電子になったこと(デジカメ)」であり従って「印刷すること」は暗に否定しているわけです。

しかし「敵を知り己を知れば百戦危うからず」なので、プリンターメーカーのショーへ行ってみることにしました。

さらに、一つ気になっていることがありました。それは写真展だとかカメラメーカーの展示会でのプリントが大抵エプソンのプリンターなことです。 キヤノンは大カメラボディーメーカー(従って交換レンズメーカー)でもあるので、カメラメーカーが自社製品のプリントに競争相手のカメラメーカーの製品を使う訳にはいかないという営業的論理もありますが、 互換レンズメーカーや写真展ならそこのひっかかりは少ないはずです。

エプソンは「Print Image Matching(PIM)」を提唱したメーカーであり、この手の写真印刷の標準化という概念を打ち出した事自体がエプソンが最初です(PostScriptがありますがこれは文字印刷にフォーカスされてます)。 以前某写真家はこう言ってエプソンのプリンターを高く評価していました:

  • 理想としてはPIMが正しい(理想プリンターを定義しているから)
  • 現実としてはEXIF Printのほうがプリンターメーカーは作りやすい(カメラから来るデータを標準化しているだけでプリンターの特性を規定してないので自社製品に色の特徴を持ち込める)

(だから、エプソンのPIMは孤立してしまった)

そこまで深いことはわからないでしょうが、気楽に構えて「プリンターメーカーがやるプライベートショーってどんなの?」というのを見に、渋谷ヒカリエへ向かいました。

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ヒカリエホール: エプソンニューフォトフォーラム

エプソンのプリンター一式、印刷方式の違い(プリンターモデルの違い)の説明と性能比較(プリントサンプル)など。小さな写真展もあり。また、EIZOのモニター(カラーマッチング、カラーキャリブレーション)、カメラメーカー(オリンパス、リコー・ペンタックス、ニコン)、用紙メーカーなども来ていました。

用紙「フレスコジクレー」

そのなかで「フレスコジクレー」(株式会社トクヤマ)という用紙が目を惹きました。

漆喰を応用した紙で(厳密には、だから「紙」ではなく「漆喰の薄膜」)、きめの細かい画用紙みたいな軽いザラザラ(凸凹)があります。これで印刷すると立体感というか深みが出てびっくりしました。 やや絵画調になるきらいもあるので、例えば総ガラス張りの高層ビルとか、自動車のボディーのような金属光沢には向いてないかもしれませんが、自然の風景や古い町並み、またポートレートでは非常に印象的な仕上がり。

「フレスコ」とあるように、フレスコ画と似たような化学変化があり、漆喰にインクが取り込まれた後漆喰が酸化することで透明な皮膜ができ耐候性が出てきます。100年の加速度試験したサンプルをみましたがほとんど変化してません。 今から100年前といったら明治時代末期となりますから、明治時代に撮った写真が現代でもほとんど劣化しない、というような時間間隔になります。紫外線にも強い。従って、UV/空気カットのフィルム付きで額に入れる必要がなく、直接むき出しで飾れます。 保護フィルムを付ける必要がないことでよりきれいに観られるわけです。

現状では、エプソンの顔料インクできれいに出る、と言っていました。染料インクは(イマイチ)向いていない。現在キャノンのプリンターでもエプソンと差がでないように改良中だそうです。

この「フレスコジクレー」を一部に使って、8Fで「貫井勇志写真展『世界遺産 - 時と光の深層 VOL.2』」 (Internet Archive)をやっていると言われました。実は同じ渋谷ヒカリエだったので行く予定でした。

セミナー

ちょっとびっくりしたのは、セミナーがすごい人気なことです。そもそもかなり多数の座席が用意されていてその規模にも驚いたのですが、そこがほぼ満席なのです。ものすごい熱気というかなんというか。 どうしてプリントにこんなに熱があるのか?私には正直わかりません。写真コンクールって結構人気があるのかな?(コンクールは大抵紙で出すから)

都合で朝一からずっといる、というわけにもいかなかったのでセミナーはちょっときいただけですが、結構「根性論」というか「感覚論」な話であっていかにも日本的だなあ…と。印刷の知識を語ってなくて、写真を撮りに行った様子だとかそういう周辺の情緒に終始しがちなのはカメラメーカーのセミナーも同様の傾向で、これが「日本文化」なんだと思うわけです。


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渋谷駅山手線ホーム

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