にパナソニックセンター東京で「LUMIX一眼こだわりの使いこなし術(ポートレート撮影編)」(Internet Archive)を受講しました。講師は森脇章彦先生。モデルはなんと片岡美果先生。さらに先生のアシスタント大津わこ先生がレフ板を担当。
この日は午前にこの「ポートレート撮影編」、午後3時から「街スナップ編」がありました。
森脇先生のLUMIXフォトスクール登壇は久々。しかも撮影テクニックの講座ははじめてではないか?と思います。
パナソニックセンター東京は東京ビッグサイトのすぐ前です。翌日がコミケということで国際展示場駅はすっかりコミケ仕様でした。嵐の前の静けさか、駅周辺は祝日ながら人もまばらでした。
追記: 2017年1月4日
片岡実果先生から「今後写真の掲載は禁止に変える」というお話を頂いたので、該当すると思われる写真は表示されないように変更します。
【ご挨拶】
— 片岡ミカ @写真の個展準備中 (@mikachu0720) 2017年1月3日
気分新たに、またTwitterよろしくお願い致します。
みなさま、出来ましたら過去の撮影会でモデルをしていた時などの写真の掲載はお控えいただけましたら幸いです。
自分の中の棲み分けがうまくコントロール出来なくなってしまったためです。
@shin0072 もし可能であれば…!!ただ、すべての人にお願いが難しい状況なので、もし可能であればお願いします!。゚(゚´ω`゚)゚。
— 片岡ミカ @写真の個展準備中 (@mikachu0720) 2017年1月4日
森脇先生の講義の特徴は、販売店セミナーでも伺い知れますが、フィルムカメラと違うデジタルカメラの点についても具体的に講義するところです。フィルムから半導体センサー/デジタル/ミラーレスに変わったことに依って話が変わってきている部分があるからです。
Fnボタンのカスタマイズ
まずいくつか、カメラの初期設定を変えますが、その一つはFnボタンの設定です。
私の持っているGX8のボタン配置で説明しますと
- Fn2
- AF-ON (親指AF)
- Fn3(ゴミ箱🗑)
- フォーカスエリア選択(タッチパッドAFはOFF)
と設定。
「AF-ON」は、AFCでの親指AFのため。4Kフォトもこれで一息先にAFを開始させてからシャッターを切る。このボタン配置は一眼レフカメラでよくあるそうなので、一眼レフユーザーが「なんだミラーレスって使いにくいんだな」と言わないようにするためでしょう。LUMIXでは初期設定でAF-ONがFnボタンにアサインされていません。
「フォーカスエリア選択」は、LVFを覗いたままAFエリアをいじれる設定です。LVFを覗いたままフォーカスエリアを動かす方法として「タッチパッドAF」がありますが、これは鼻が当たって誤動作します。不意にAFエリア移動モード(黄色い四角の枠が出る)が出て驚くと思います。
左十字キーでもフォーカスエリア選択出来ますがこの場合はオートフォーカスモード(シングルとか、グループとか、ピンポイントとか)選択が出てきて、下矢印でエリア選択と、二段階操作が必要です。
Fn3に「フォーカスエリア選択」をアサインすることでLVFを覗いたまま、Fn3を押すとすぐにエリア選択(フォーカスエリアの移動)が出来ます。Fn3(ゴミ箱🗑)は撮影時には使わないボタンなのと親指を伸ばすと届く位置なので、ここを「フォーカスエリア選択」にするわけです。
私はしばらく前からこの設定にしてあります。左十字キーを使ったり、他のFnにアサインしたりしてもどうもすっきりいかず、Fn3(ゴミ箱🗑)にしてしばらく使っていたら体が覚えました。この設定は便利だと思います。
背面モニターの「モニター調整」とLVFの「LVF調整」で色をキャリブレーション
この後、カラーチャートをライブビューでみながら
- 背面モニターの「モニター調整」
- LVFの「LVF調整」
を行ってモニター類をキャリブレーションします。これでモニターで見た色が正しい色になります。こうするとモニターをみて、フォトスタイル(スタンダードとかViVidとか風景とかの微調整)やホワイトバランスなどをいじって仕上がりの色を自分の好みにしたら、その通りにJPEGが出るはずです。
個人的にはこの「色を合わせる」というのが出来なくて、見ていて色が違って見えないのでした…(大きくずらせば当然違って見えますが)。
「フォトスタイル」の「カスタム」作成
今回の講座では「フォトスタイル」は「人物」を使うと指示されました。
この「人物」は屋外の強い光を前提にしているので、日陰や室内の弱い光だとコントラストとシャープネスが少し柔らかめになるそうです。そこで、この「人物」のコントラスト、シャープネス、彩度をちょっと(1目盛りくらい)きつくしたものを「カスタム」に登録して用意します。
これは教室内でモデルの片岡先生をカメラのライブビューで覗いて、自分の好みにカスタマイズしていきます。
(こういうときに、先ほどのモニター類のカラーのキャリブレーションをしておくと、モニターみながらカスタマイズした色がJPEGの結果と一致しているので作業が楽になります)
構図決めに「半押しフォーカスロック」はやらない
これが、一眼レフから来た人、とくに地方にすごく多い、と先生。
一眼レフの測距点は中央寄りに固まっているので、一眼レフの写真教室では半押しフォーカスロックしてからカメラを振って構図をつくるか、測距点の範囲で撮ってトリミングするのだそうです。
LUMIXでは撮影範囲全体(つまり画面の端まで)AFエリアが動かせるので、まず構図を決める、次にピントを合わせるところにAFエリアを動かす、とやってノートリミングを基本に撮影する。
フォーカスロックして、カメラを振るのは「コサイン誤差」でピントが少し外れるので、一眼レフではそれは諦めるか、それを回避するためにいろいろテクニックを使います。(先日のPhotoNextのシグマブースで塙真一先生がデモしていたのがすごく分かりやすかったです)。
コントラストAFではピント精度(あるいはピントの打率)が高い上に「カメラを振る」ことをせずともAFエリア(測距点)を自由におけるので「フォーカスロックして振る」はもうやらない、ということです。
どうように、画面のはじでもAF(測距)できるわけなので、トリミングしないので画素数フルが作品に使われる。意外と一眼レフユーザーは構図のためにトリミングしているので実質の画素数はセンサーの画素数より少ない状態の作品が少なくない。
こうして、パナソニックセンター東京の中庭へ。終日曇りの予報だったのに、見事に晴れ。
受講生にはLUMIX G 42.5mm / F1.7 ASPH. / POWER O.I.S.か、LEICA DG NOCTICRON 42.5mm/F1.2 ASPH./POWER O.I.S.が貸し出されました。私はLUMIX G 42.5mmを借りました。
AFは「瞳認識AF」で。
まず、撮り方の基本の練習。「連写H」にして撮る。書き込みを早くさせるため、RAW記録はしないでJPEGのみ(SDカードも速いものを)。「フォトスタイル」の「人物」と先ほど用意した「カスタム(人物ベース)」を撮り比べてみる、などしました。
炎天下、いろいろなポーズでじっとしていて、片岡先生はものすごく大変だったと思います。
ポートレートで、森脇先生の今回の教えでは、露出モードは「S優先」。「A(絞り)優先」ではなく。
これを私がうまく咀嚼できているか、さらに説明できるか難しいのですが…
- モデルでも「動く」。頭皮が動いて髪がブレる
- もはやデジタルカメラは、フィルムを越えた解像度を持っているのでフィルム時代の「約束」は一部、ご破産
- 等倍鑑賞して、ブレがないように撮るのが前提
(撮影目的次第だが、画素数を活かして撮るのが基本だろう) - モデルの被写体ブレを止めるには1/250秒〜1/500秒以上必要
- 絞り(ボケ)とSS(被写体ブレ)が両立しないなら、ベストな撮る条件じゃない → 妥協するなら、どれを捨てるかという話 → 今回の講習範囲外
- 絞り(ボケ)とSS(被写体ブレ)が両立する明るい環境なら、「S優先」で1/500秒あたりにして確実に被写体ブレを止める意図で撮影し、絞りはカメラのオートに任せる
(基本ほとんどF開放近くになるはず) - あまり明るいと、露出オーバー(オート範囲外エラー)にならないようにSSをどんどん上げていくことになると思う。
ここで1/1000秒、1/2000秒などの高速になる環境ならば、「A優先」に切り替えて絞りを指示して、SSをカメラのオートに任せる - 今のレンズはF開放からほとんど解像度は最大。1/3段から2/3段絞ったところにすれば解像度最大に達するのでそこを使う
- 絞るとしても解像度がいいのはF8が上限。少し安いレンズだとF5.6くらい。それ以上絞ると小絞りボケ(回折)が見えてきて解像度が落ち始める
(マイクロフォーサーズ限定だと思う。一つにはセンサーサイズで回折の影響は変わるので。もう一つには最近設計されたレンズという意味。フィルム時代やデジタル初期=低解像度に設計されたレンズまで適用できるかどうかわからないので、他のカメラシステム持っている人がこの数字のままでやっていいのかは私はしりません)
背中越しのポーズ…を使って「1点」AFの練習。
ポートレートのAFは「瞳認識」AFに任せます。しかし「瞳認識」はこのように顔の半分が隠れるようなシーンでは作動しません。また人を撮っていたときに急にスナップを撮るときも当然「瞳認識」AFでは役立ちません。
LUMIXの「瞳認識」AFは顔・瞳検出ができないと「49点」AFに切り替わります。当然これでは不便です。ここで
- 背面モニターを見ているならば、「タッチAF」でAFしたいところをタッチする。タッチした場所にAFエリアが置かれた「1点」AFに切り替わる
- LVFを覗いているならば、講座の最初でカスタマイズしたFn3(ゴミ箱🗑)を押すことで「1点」AF(のエリア設定モード)に切り替わるので、十字キーでAFエリアを目的の場所に移動する
とすることで「1点」AFで撮影できるようになります。
この「1点」AF状態は、十字キーの中央にある「決定」ボタンを押すか、背面モニターの左隅に表示されている四角い枠のアイコン「AF OFF」をタッチすると解除されて「顔・瞳認識」AFに戻ります。シャッターを切っても「1点」AFの状態が続きますので、毎回「顔・瞳認識」AFを抜ける操作しないでも「1点」AFで撮影が続けられます。
この「切り替え技」と「1点」AFの使い方の練習を兼ねて、後ろ姿の片岡先生の手前の瞳にAFエリアを持っていって撮影。
建物の軒下に入っての撮影では「フォトスタイル」を「カスタム」に切り替えて。
コンクリート打ちっぱなしの壁で、背後の壁が完全にボケるように…と先生が見本をみせてくださったのですが、なぜかできない。うっすらと継ぎ目が見えます。
これぐらいの動きは、4Kフォトは使わない、「連写H」で撮りなさい、と言われ、片岡先生に三回ほど振り向いていただいて、その中から一枚。
最後にAFC+「カスタムマルチ」(オートフォーカスモード)を使って動きものを連写しました。
「カスタムマルチ」は全画面49点の任意の点の組み合わせをAFエリアにできます。
サッカーならL字型に選択して「胴体と足」にピントを合わせるように(背景にフォーカスが抜けてしまわないように)、とか。
まずモデル歩きではカメラを縦位置にして上の 3x3 のAFエリアを選んで設定。これでAFCで追えば顔の辺りだけがAFアリアとして狙えます。
最後に上に挙げた写真の4Kフォト。ストローからシャボン玉のあたり 3x3 のAFエリアを「カスタムマルチ」に設定して撮影。
特に必要性がなければ、9点ほど(3x3程度)を選んでおくのがAF速度的にいいだろうということでした。
ポートレートの撮り方、モデルへの指示などの話もありましたが、私は苦手科目なので記録できていません。
ポートレートの撮り方と合わせて、LUMIXの設定カスタマイズのポイント、特徴(デジタル、コントラストAF、ミラーレス…)の活かし方も解説、実習するので大変勉強になったセミナーでした。
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