にケンコー・トキナー本社で「マクロレンズ、クローズアップレンズ、接写リングでの接写撮影術」(Internet Archive)を聞きました。
ケンコー・トキナー本社のスタジオでは毎週金曜の夕方にセミナーをやっています。講師はケンコー・トキナーの名物の田原栄一先生。
この企画は去年('15年)の4月ごろからやっていると思います。クローズアップレンズは一度あったのですが行けませんでした。
地元(本社ショールーム)の地の利を活かして、次から次へと実際の機材が出てきてデモされますので大変参考になります。
- マクロ撮影とは、等倍から1/2倍を指す
- 等倍とは「センサーのサイズに同じ大きさが写る」
- 実際に「プリントする」と被写体は本来の大きさよりも大きく写る
- 専用のレンズ「マクロレンズ」を使うことが多い
- クローズアップレンズは、フィルターネジにねじ込んで付ける、フィルターのようなもの
- 「No.」の数字は、レンズのピントを∞遠に合わせたときにレンズ先端から$$距離 = \frac{1}{No.}\ \ \ (m)$$にピントが合うということを表している
- 最短撮影距離が長いレンズに効果がある
- クローズアップレンズを重ねると効果は「No.を足し算した」数字のクローズアップレンズと同じ効果
- 使用しているレンズの設計値(フォーカスの距離)を越えた使え方をしているので収差などの性能は落ちる
- クローズアップレンズ自体の収差性能はMCレンズよりACレンズの方がよい
- 収差は絞ればある程度減らせる
- ズームのマクロレンズはない(ニコンで一本だけある)が、ズームレンズにクローズアップレンズをつければズームのマクロレンズになる
- 最近のマクロレンズは開放F2.8だが(オリンパスのフォーサーズに50mm F2.0がある)、明るい単焦点レンズにクローズアップレンズをつければ明るいマクロレンズになる(被写界深度が浅いので用途は限られるだろうが)
この後接写リングの解説がありました。接写リングはレンズの後ろとカメラのマウントとの間に挟む筒(レンズは入っていない)。
- 接写リングのほうがクローズアップレンズより少し性能はよい
リバースリングは、レンズを前後逆に取り付けるアダプター。レンズのフィルターネジに取り付ける。反対側がレンズマウントになっているのでそこをカメラのボディーにつけて使う。
- 望遠レンズでは撮影出来ない。標準から広角のレンズを使う
- フィルターネジに取り付けるのでマウントの違うレンズ(他社、オールドレンズ)でも使える
- 逆さにつけるのでレンズとボディーが通信出来ない。従って絞りリングがないレンズでは絞りが固定になってしまう(キヤノンは絞り開放、ニコンは絞り値最大)。ピントも電子式だと動かない
- 従ってニコン(非Gレンズ)かオールドレンズが向いている
クローズアップレンズや接写リングでは(最大)撮影倍率がいくつになっているのかがわからない。確実に「2倍で撮りたい」というような場合は「テレプラス」がよい。
倍率が問題になるのは学術用途とかアーカイブだろう。花を撮ったりする場合は倍率が正確にわかる必要はないだろうから、クローズアップレンズや接写リングでよいだろう。
あっという間の一時間でした。
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