5月28日(木)にフジフイルムの「『5月:最新ミラーレスカメラ体験会』 at 国営昭和記念公園」(Internet Archive)に参加しました。場所は昭和記念公園。
フジフイルムのXシリーズを持っていない人を対象にX-T1を貸してくれるというセミナー。レンズは18-55mm。
座学
立川駅から、あけぼの口を通って「花みどり文化センター」の講義室に集合。X-T1ユーザーのレンズ体験会と合同でした。
基本的なX-T1の設定の説明を受けました。講師の方がX-T1の特徴を出す設定にしてあるところがミソ:
- フィルムシミュレーションブラケットで、PROVIA、Velvia、ASTIAを連写
- 電子シャッター併用(M+E)で、自動的に電子シャッターによる超高速シャッターへ切り替え
フィルムシミュレーションブラケットは、ボディー内現像を三種類やるという形のようで、シャッターは一回しか切られません。
さらに、フジフイルムから公園などでの撮影マナーについてレクチャーがありました:
カメラのマナーは色々社会問題になってきていると思うのですが、カメラメーカーが啓発活動をしている感じがしません。私はフジフイルムが初めてです。これはとてもよい施策だと思います。
特に、昭和記念公園は国立で、公立の公園というのは法律で色々と利用の仕方について規則が定められている(従って、違反すると違法となる)という話もレクチャーされました。公園だから何をしてもいい、と思っている人は多いのではないでしょうか?(つまり「ただのマナーでしかない」と思っている人は多いのでは?)
最後に、昭和記念公園の方が、園内の撮影ポイント、開花状況をレクチャーしてくださいました。実は実施要項をよくみると、主催は昭和記念公園。共催がフジフイルム。
フィルムシミュレーション比較
フィルムシミュレーションは、Velviaはvivid系。ASTIAはソフト系となっていますが、PROVIAとASTIAはシーンによってはあまり差がない。ASTIAがすっきりしていて好ましい時もあると思いました。
花
あけぼの口の花みどり文化センターから最も遠い、花の丘(こもれびの里そば)へ行ってシャーレーポピーを撮影しました。
レンズがマクロではないこと、開放でF2.8〜F4.0ということで花を撮るのは少し工夫しました。オリンパスのPROレンズと違って最短撮影距離は普通に長いのであまり寄れません。
APS-Cなので、マイクロフォーサーズより理論上は2/3段ほどボケるのですが、印象としてはもう少しボケる感じもしました。ボケ方がきれいなのでよくボケる印象なのかもしれません。
赤はオリンパス、パナソニックに比べて少し飽和しやすい感じ。
しべを大きく写している写真で分かるように、AFが望んだ所に行きづらく、このケースだとどうしても雄しべにひっぱられ、雌しべの頂点にAFしない。雌しべの周囲に合ってしまい、頂点が被写界深度の外に出てしまう。
AFターゲットの粒度が粗い。オリンパスも粗いのですが、拡大モードを使うとほぼ無段階に位置を決められる。パナソニック機は昔からほとんど無段階に近い粒度でターゲットの位置を設定できます。なにか一眼レフの位相差センサーの数が増えただけ、的感じがし、コントラストAFらしさが感じられないなあ…(コントラストAFと位相差AFの併用方式だそうですが)
フジフイルムご自慢と言われているEVFですが、晴れた屋外で使った今回、かなり暗くてコントラストが浅めであまり使いやすくありませんでした。撮影後の再生でも同様。倍率、視野はよいのですが、E-M1のEVFの方がずっとよいような…。
慣れの問題かもしれませんが、シャッターレリーズボタンが意外と深く、半押しから深く押す必要があって、どうにも手ブレしてしまいました。半押しから、まって、最後にそっと押すだけで切れる、という感覚とは少し違う気がします。
同様に、絞りの設定がレンズ鏡筒にある絞りリングで行う形式も、慣れの問題か、ちっとも使い易くなかったです:
- リングの角度でF値が決まるのではなく、リングはただのダイヤルでしか無い。これなら人差し指や親指のダイヤルと変わらない
- くるくる回す手応えがすごく軽い。どうせ1/3段ずつしか変化しない値なのだから、ワンクリック1/3段とはっきり対応づけるべき
- 慣れの問題でしかなく、鏡筒にリングをつけた、UI上の明確なメリットが見えない。だったら他の機種と同じ=慣れているやり方にしてほしい
パナソニックのLEICAレンズやハイエンドコンデジLUMIX DMC-LX100では、F値の設定はダイヤルの回転量ではなく回転位置(角度)で決まるようになっています。従ってF値変更の時強いクリック感があり(1クリック1/3段)、F値の変更は角度が少なく済みます。
X-T1はくるくる沢山回さないと値が変更されないという「印象」を与え、クリック感が弱いため、簡単に行き過ぎたりします。
また絞りオートと絞りマニュアルの切り替えは独立した切り替えスイッチで行うため、絞りオートになっている状態ではリングを回しても変化しません。パナソニックのように絞りリングのF値ポジションの端に「A」を置くほうがUIとして合理的です。
AE初期の一眼レフも各社、絞りの端が「A」(絞りオート)になっていました。「レトロ」だというなら、ちゃんとここまで再現してもらわないとUIとしての合理性がないように思います。
リングの感触を悪くしているのは、ファームウェアがあと一息速くないからかもしれません。ロータリーエンコーダー(電子ダイヤル)の反応をよくしておくことはUI視点的からは、メカトロニクスの定石だと思います。フジフイルムは既に次のLSIセットを開発しているはずですが、そこではこの部分の処理速度の向上は必須と思います。
「再生」のボタンが左上にあるため、撮影直後の再生確認は必ず左手が必要です。EVFを覗いていると額がボディーに当っているので、このボタンを押すには目をEVFから離すことになります。これも非常に感触が悪い。いわゆる「撮影のリズム」と言っている奴が壊されている気がします。今のデジタルカメラは一連の撮影の最中に絶えず結果を確認するというワークフローの人も少なくないはずです。「片手で操作できる」が撮影だけで、「撮って確認」までカバーしていないのは、メタな意味でのUIとして私は賛成できません。いっそ右側前面に再生ボタンを置く(Fnボタンは配置されている)くらいの奇策(奇策でもなんでもない)をやってでも、他のこだわり同様にワークフローについてもこだわりを見せても良かったのではないか?
電子シャッター併用モードになっているせいか、センサーのS/Nに自信があるのか、晴れの屋外なのに、ISOが400とか800に平気で上がり、シャッター速度をすごく高くする設定になる。
人工物
よくみると解像しているけど、ぱっとみると少しソフトな感じにみえる。アナログ的な解像の仕方…とでも言えばよいでしょうか。
花と、人工物の印象を考えると、X-T1はポートレートとか、猫(毛)に向いているのかな?操作性からも、アウトドアではなく、室内(コントロールされた環境)が向いているような…
AF性能
AFが「こいつにピントを合わせろと言ってるんだな?」と汲み取る能力が、少し弱い気がします。上掲写真で、どこにもあってない。前述の「雌しべの頂点に合わせず、そばの雄しべ(の方がコントラストが高いというか、はっきりピントの合ってる合ってないが分かり易いんじゃないか?)へひっぱられる」も、ある意味同じ問題とも言えます。
再集合
昭和記念公園は非常に広く、撮影ポイントも最深部にあるため移動の徒歩に多くの時間を費やしました。季節によっては入り口に近いエリアに花が咲くのでそういう時は移動の問題はないかもしれません。ただし移動が大変ということは人が少ないというメリットもある気がします。花の丘は割と人が少なかったと思います。
最後に、フジフイルムの宣伝があったあと終了。退出時に「ガチャガチャ」をくれました。私の中身は「初代写ルンです」でした。
X-T1の印象
操作に少し癖がある。屋外が苦手。少しソフト目なので風景や花マクロなど解像感を出したい時は工夫(テクニック)が必要。ソフト感はポートレートにはすごくよさそう。
と、「癖をねじふせると、素直な解像感の写真が撮れる機械」という印象が、現時点です。
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