2015年3月5日木曜日

「ストロボを学ぶための写真教室」 @ニッシンジャパン

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高円寺駅: デジタルテレコンで

2月28日(土)にニッシンジャパンで「中野裕の【入門】ストロボを学ぶための写真教室 第3回」(Internet Archive)を受講しました。参加者は8人。

CP+ 2015のニッシンジャパンブースでもダイジェスト版が行われました。ストロボを使いこなす前に必要な撮影の基礎でした。

カメラのセミナーで公式や数学的理論が出てきたのは初めてでした。写真でも専門的にやる人はこういうこと「も」学んでいるのかなと非常に興味深く感じました。

もっとこういう理論の話がききたいです。カメラのユーザーには、ガジェットマニアつまり技術が好きだからカメラを買う(ある意味「写真を撮らない」)人もかなりいるはずです。周りを見るとそういう人を散見します。こういう人を拾うマーケティング(ビジネス)が、メーカーの製品導入イベントでの新機能/新技術解説以外無いというのは残念に思います。

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ごく一部を書くと…

カメラの構え

あまりここに時間を割く予定ではなかったようですが、意外と生徒のウケがよかったので色々と教えていただきました。

  • カメラの構え: カメラの重心を左掌に。そこから鏡筒を握って、中指がズームリング、人差し指がフォーカスリング
  • シャッターレリーズ: 人差し指の指紋の腹で。
    指とボディーに隙間がないように(小さいカメラだと無理だが)。
    シャッターレリーズは人差し指だけで「押す」のではなく右手のひら全体でグリップごと「搾る」(握りつぶす)感じ(英語ではpushではなくsqueezeと表現している)。これで人差し指の反動を小指側が抑え、ブレが防げる
  • 手ぶれを防ぐ練習: 学校では、ホットシューカバーの上に単三電池を立てて、倒れないように練習する。流し撮りの状態でも。プロは単四電池でやる
  • 構えは、両手をバンザイから、一気に腕の力を抜いてだらっと胸の前へおろした時の形で。軽く脇が締まる(紙を挟んで落ちない程度)。軽くジャンプして着地した時の膝の曲がり具合で立つ。この状態で腰で回って流し撮り
  • 縦位置: 慣れてしまっていたら、もう直せないのでどっちでもいいが、基本はシャッターレリーズ側が下。
    親指でシャッターレリーズを押す。これが安定、ブレない。左手はレンズ鏡筒をくるむように(脇が締まる)。
    欠点はダイヤル類の操作ができなくなること。
    昔はシャッターレリーズ側が上、なぜならフィルム巻き上げレバーがそこにあったから。巻き上げるためには上にないとやりづらい。デジタル時代は巻き上げレバーはないので、必然性がない。だったら安定性からシャッターレリーズが下で、親指で押す形
  • コンパクトカメラ: 左手は人差し指と親指でL字にしてボディーのへりを持つ。縦位置は、右手を握手の形にしてそのまま親指でレリーズを掴む。左手は背面モニターの端を親指で掴む。この親指に額を当てて安定性を上げる

手ぶれしない最低シャッタースピード(焦点距離は35mmフィルム換算)は:

プロに求められる値
$$ss = \cfrac{1}{焦点距離}$$
一般アマチュアの平均値
$$ss = \cfrac{1}{2\times焦点距離}$$
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撮る

カメラは

  • ピント
  • 露出
  • 構図

の3つだ、そのうちピントと露出は制御するもの(自由にならない)で、構図だけが自由に出来る、と解説されました。

ピント

ピントについて、ブツ撮りを例に被写界深度の解説がされました。生徒に何mmのレンズで、絞り幾つで距離どれくらいで撮るか?と聞いて、被写界深度を計算するアプリを使って被写界深度を計算して「それだと全体にピントが合わないね」と。

すごいなと思ったのは先生は「その焦点距離のレンズでその距離は最短距離以下だからありえないよ」と即答されたことでした。休息時間に「焦点距離ごとに最短距離って決まってるんですか?」という聞き方をしてみたら「一体何年やってると思ってるんですか。何度も失敗してるから覚えてますよ」と言われました。

露出

露出では、ある明るさの時に階調がわかる最も暗いところと最も明るいところの範囲に対して

ラチチュード
人間の目の感覚を通した時の言い方
ダイナミックレンジ
イメージセンサーの入力についての言い方

という解説は、結構すっきりしました。

明るさ(=条件値)$L_v$と、カメラの露出(=制御値)$E_v$について、単純な意味での「適正露出」とは \[ B_v + S_v = L_v = E_v = A_v + T_v \] だ、という式を示されて、解説されました。

構図

印象に残っている言葉の一つに「『静』だと証拠写真になってしまう。何かをしようかなという瞬間を感じさせるような写真を」撮りましょうでした。

ストロボ光

この講座はストロボ以前の話をするものですが、少しだけストロボにふれました。

人間は太陽光か炎の光で物を見ながら進化してきたので、太陽光が一番きれいに撮れる。暗い所(≒炎の光)はストロボを焚かないでそのまま写すほうが自然できれい。

ストロボは色温度とスペクトラムが太陽光に非常に近くて、大変よい光源。

白色LEDライトは、厳密にはまだまだだめ。現在の白色LEDライトは青色LEDに黄色(青の補色)の蛍光体を使って白くしているので、線スペクトルに近く演色性がよくない。ただし、動画の場合白色LEDライトの電池の軽量さは代えがたいのでしょうがない。ストロボでは(連続発光しないから)録れない。しかし写真はストロボの光を使ってきれいに撮りましょう、とおっしゃっていました。

受講者特典

受講者に、先生の著書 「旅の途中-1 一眼レフで旅する人へ」(数が足りず後日送付)と 「ストロボ虎の巻」 が配られました。これでは、赤字になってしまうのでは?という豪華さ。

また、ご自由にお持ちくださいということでニッシンジャパンのシールがありましたので、それも頂いてきました。多灯の際にそれぞれを区別する番号シールになっています。

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追加: '15.03.08.

3月7日(土)に「旅の途中-1 一眼レフで旅する人へ」が到着

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