オリンパスがOM-D E-M10と同時に、またボディーキャップレンズを発表。こんどは魚眼レンズのフィッシュアイボディーキャップレンズ BCL-0980 (9mm F8.0)。
対角は140°で、180°とはなりませんでした。この画角感は実用上どうなのか興味がありました。
一方画質的にはボディーキャップレンズが魚眼レンズの場合、結構「いけそう」な感じがしました。
値段もそこそこ安いことに加えて、オリンパス・オンラインショップの
フォトパスのプレミア会員割引+フォトパス・ポイント+「フォトパス手帳プレミアクーポン」割引と、割引を使いまくることで、買ってみることにしました。
そして、早速発売日の2月28日(金)にオリンパス・オンラインから宅配されてきました。
実写
まず、Samyangの対角180°に対して、BCLの対角140°の違い。ただ、180°でないといけないという論理的必然性というのはあるのだろうか?対角180°は左手のレンズを持つ指が非常に写り込みやすくて(これがファインダーで見ている時は意外とわからない)ある意味扱いづらい。 レンズの厚みがないBCLでは、レンズ部を持つと、より指が前に出ているはずですが全く写り込まないのは140°だからだろう。これが180°だったら多分左手はカメラボディーの下に隠すくらいのことをしないといけないので持ちづらいでしょう。
この吹き抜けにある床が人通りによってびっくりするほどよく揺れたので、手ブレしてしまっているかもしれませんが、解像度的にはSamyangとBCLでそんなに変わらない感じがあります。ただし、BCLがなんとなく切れがない感じがしないでもないので、少しコントラストが低いのではないか?
GX7とE-M1でAWBがこれほど違うとは驚きです。「赤残し」はしてありますが、そもそもこの場所の色温度は高い方でして、全く赤く写る要素がありません。何枚も撮ってありますが全部同じ色です。仕上がり自体ではE-M1のAWBにも雰囲気がありますが、実際との比較で言うと全く違います。実際はGX7の色ですらやや赤く現場はさらにもう少し色温度が高い(青い)です。
そこで最後に、ほぼ一年前にSamyangを買った時に撮ったE-M5での写真を並べてみました。E-M5でもWBは適切な感じです。
さらに見た目はもっと暗いのですが、写真としてはこういう感じのほうが印象に近いので、+2/3EVして撮っています(Samyangではそれを忘れたので暗くなっています。撮って出しということでレタッチをしませんでした)。
「魚眼レンズって、面白いの?」「たとえ買ってもちょっと使ったらもうそんなに使わないかも」と思う人には、体験版、入門版として、この値段とこの性能、この携帯性ならぜひ一個買ってみたら?とお薦めできるレンズだと思います。
使用感
オールプラですが、安っぽさがない。黒の仕上がりもプラとしては頑張っている。前面の銀のリングによる装飾部分もローレット(細溝)が切ってあるので全反射することなく、周囲の色を拾いますので金ピカ(銀ピカ)になることもなく下品になりません。
フォーカスレバーはやや柔らかく、カメラザックで何かに当たると動く可能性がないこともありません。少なくとも「開」状態では、一度動いてしまいました(0.2m、パンフォーカス、∞の間を)。「閉」位置は少し上に上がっているので動くことはないかもしれません。
「閉」から最初のクリックが「∞」で、通常はその次の「パンフォーカス」位置にセットすることになります。が「∞」位置のクリック感が少し弱く、さらに「∞」と「パンフォーカス」が非常に近いために、間違えて「二番目のクリック(=パンフォーカス)」と思ったところが「0.2m」になってしまうことがありました。 きちんとレンズを見ながら操作するか、一旦全開である「0.2m」まで回しきってしまい、そこから最初のクリック位置である「パンフォーカス」へ戻すのが確実な手順かもしれません。
オリンパス機、パナソニック LUMIX DMC-GX7などでのボディー内手ぶれ補正用の焦点距離の手動設定ですが、9mmという設定値がありません。 ホームページをみると小さく「8mmにセットしてください」とありますので、8mmに設定します。 取説には何も触れられていないのは大ポカだと思います。取説の意味がありません。
この8mmという設定値は、Samyangの設定(7.5mmなので、最も近くて選べる設定値は、8mm)と共通なので都合がいいです。GX7は無接点レンズがつくと(=起動時にレンズが検知出来ないと)「焦点距離設定を変えますか?」と聞いてきますからいいですが、オリンパス機は何も言わないためつい値の設定、確認が必要なことを忘れたまま使ってしまうことがあります。
もちろんパナソニックの挙動も、同じレンズを挿しっぱなしにしていても電源を入れるたびにこの画面が出るため(無接点なのでレンズが挿さっていることがわからない)、速写性に問題がありますし、少々鬱陶しいこともあります。 シャッター半押しで「キャンセル」(現行設定値のまま)出来ますし、シャッターを全押しすればシャッターは切れます。ライブビューにオーバーラップするので表示が乗っている真ん中以外は見えます。
手動設定の問題が煩わしいほど魚眼レンズを多用するなら、オリンパスのフォーサーズ版かパナソニックのレンズを買ってしまうべきでしょう。電子接点付きなので手ぶれ補正用焦点距離は自動設定されます。
他の魚眼レンズ
マイクロフォーサーズで使える魚眼レンズは、既に三つ存在します。このうちオリンパスのZUIKO DIGITAL ED 8mm F3.5 Fisheyeはフォーサーズということでやや別格とすると、二つ存在します。
パナソニックの LUMIX G FISHEYE 8mm/F3.5
パナソニックの8mm/F3.5はAFで、手ぶれ補正なし、マイクロフォーサーズのレンズとしてはやや高価。生産(購入者)も少なめだからでしょう、生産が細めのようで売り切れと入荷を繰り返すので購入タイミングが悪いとしばらく待つことになります。
このレンズと同様にフード作り付けのLUMIX G VARIO 7-14mm/F4.0を使った経験からするとかぶせ式のフロントレンズキャップはゴムっぽいもので装着時の確実感が少ないです。ロック機構がなく、単に摩擦ではまっているだけです。 移動中に袖などで擦れたりすれ違った観光客とぶつかると落ちそうで大変あつかいづらいものです。
後述のSamyangのロック機構のようなアイデアをなぜ、日本メーカーが出せなかったのか、画竜点睛を欠く部分です。
Samyang 7.5mm F3.5 UMC Fisheye MFT
Samyangの7.5mm F3.5は電子接点がないため、必然的にMF、手ぶれ補正なし。値段は性能を考えると安価。こちらは輸入代理店があるだけで、ヨドバシカメラのような大手では逆に売っていないですが、アマゾンで買うことが出来ます。
焦点距離が短いので、ほとんどパンフォーカスになってしまいます(開放のF3.5でフォーカス位置約1.06mで、パンフォーカス)し、魚眼では風景を撮ることが主でしょうからMFなことはほとんどデメリットは感じません。
両者に共通している点として、手ぶれ補正が内蔵されていませんが、開放がF3.5なのは割と明るく、屋内でも結構使えます(焦点距離が短いのでシャッタースピードの手ブレ限界も遅くなりますので、低ISOにし低速シャッターにへもっていける)。
魚眼レンズでの縦位置
個人的に好きなのは、魚眼レンズを縦位置(ポートレート)で使うことです。こうすると魚眼レンズ特有の歪感が出ず、上下方向の広がりがきれいに入り、天井の高い場所の空間の感じがよく伝わる気がします。
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