'90年代に買ったキャリーバッグですが、目立った不具合もなく、今では毎月のように奈良旅行に活躍しています。が、気づいてみるとタイヤのゴムがすっかり減ってしまいました。
サムソナイトのバッグなのですが、ACEがOEMしていた時代のものです。サムソナイトはACE時代のものも含めもう修理をやめてしまいました。 もっと早く調べればよかったのですが、ネットで検索して調べてみるとはなかなか思い至らず、「どこにどう言ったら修理してくれるんだろう」と思いながら「そのうち本体が壊れて買い替えになるかもしれないし」と延ばし延ばしにしていました。
しかし本体は丈夫で全く壊れる気配なし。国内、それも新幹線での旅行なので本体に無理がかかることがほとんどないわけです(飛行機だと、預託荷物にすればコンテナに入れるのにものすごく積み上げられたりするので重さで壊れたり、積み下ろしで重たいスーツケースなどを引きずり出されて傷がついて破れたりします)。 そこでまた、ネットで調べてみると修理をしてくれる業者もちらほら。片輪辺り3500円から7000円くらいかかり、結構高額ですが、買うよりは安い。それよりも修理できないタイプもあったりしたり…。
そのなかで、目にとまったblogがこれ:
ソフトキャリーバッグのキャスター修理 - 気になる・・・ 気になる・・・
しかし、このblog、ポイントは本文ではありません。本文の一番最後に追加された:
【2012年12月24日追記】 今更ですが ・・・ 当ブログでは、ゴムベルト方式より、koma様 発案の エポキシパテ方式をお勧めしています。 詳しくは、以下のコメント群を参照ください。
です。早速コメントをみて、この「エポキシパテ方式」に挑戦してみました。
とりあえず、出来たタイヤで自宅周辺を一周してみましたが、まだ本気の旅行には使っていないので最終的な評価は後ほど。
パテが明るいグレーなため、タイヤにパテを盛ったのがもろバレですので細かい美的センスを大事にする人には向いていません。 ふつう、キャスターのタイヤなんかみてませんし、目にとまったところで「何だ?変なの」と思う程度ですから気にしないことです。数百円で直せる方をとるか、修理業者への一万円前後と託送の手間を取るか、数万円で新品に買い換えることを取るか、という話です。
準備するもの
- エポキシパテ
- カッター(パテが刃に着いてしまうのでオルファのような使い捨てが望ましい)
- クレジットカード大〜下敷き程度の大きさのプラの板。
パテがつかない表面がつるつるな固めの紙でもよい。薄い箱状のものでも変形しないのでよい。パテを盛ったタイヤを「ゴロゴロ」なぜて成形するのでパテで汚れてよいもの(=使い捨て)。上記blogコメントでは「レトルトカレーの箱」と紹介されてるもの
エポキシパテの用意
エポキシパテは、コメントに紹介されるまま、セメダイン社の「エポキシパテ プラ用」を購入。
これは硬い粘土のようなものが円柱状になって透明なプラのフィルムで包まれています。コメントから10gくらいで十分ということがわかるので、この製品の容量が45gなので、全体の長さの1/4辺りでカッターでカット。 切ったカッターの刃にパテが粘りついてしまうので、いわゆる「オルファカッター」を使い、パテがついてしまった刃はパテが固まるのを待ってから落としますが、場合によっては刃ごと捨てます。
パテをこねる
パテは金太郎飴的に同心円状になっていて、外側は青、中心は白。この二液をこねて完全に混ぜることで化学反応が始まってパテとして固まり始めます。結構硬いので少し力がいります。均一に混ぜるのが目的ですので、こねる必要はありません。少し伸ばし、それを二つに折るようにして重ねます。重ねてまたそれをつぶしながら伸ばします。 そしてまた二つに折って重ねます。こうやっていくと青と白が効率よく混ざっていきます。伸ばす向きを時々90度変えてやると青、白の層が早く混ざっていきます。これを数十回繰り返すとグレーの均一な、割と固めの粘土みたいに仕上がります。
パテは混ざると化学反応が始まり、硬化しはじめます。説明には加工には10分程度の時間しかないと書かれていますが、15分くらいはありそうですので、こねるのはさっさとすすめて、5分強程度で終わらせます。
こねるのは素手で。楽をしたければそば打ちみたいに、台と棒か板を使ってこねると楽でしょうが、今回一回きりの修理ですから、多少力がいりますが素手で済ませてしまうのが手っ取り早いでしょう。
指には少しパテが残りますが、変に取ろうとせずにそのままにしておくと硬化してきて自然とポロポロ取りやすくなります。そうなってからこすればきれいにとれますので、10分〜30分我慢していれば、きれいになります。
タイヤにパテ盛り
出来たパテは伸ばそうと引っ張ると簡単にちぎれてしまいます。少しちぎってからそれを細長い帯状にします。タイヤの幅よりかなり細くていいです。これをタイヤに乗せる感じでつけます。これを一周繰り返します。 単純にはタイヤにあまり貼り付きませんので無理に押し付けてもだめです。逆に手にくっついてタイヤから剥がれてしまいます。ですので、一周つながるまではだましだまし貼り付けます。
一周貼り付いたら、用意したプラの板(クレジットカード大)の表面に水道の蛇口からちょっと水を付けて、これでタイヤをごろごろ、と回すようにしてパテを撫ぜてやります。こうやるとパテがタイヤに貼り付くのと同時に伸ばされてタイヤの幅に広がっていきます。
タイヤが減って、いびつになっているので、それがなるべくまんまるく(あと地面に対してタイヤがちゃんと水平に当たるように)なるようにプラのカードでゴロゴロなぜてやります。
24時間硬化させて完成
パテは混ぜられると硬化しはじめますので、形を整える時間もあまり長く取れるわけではありません。逆に言うと段々硬くなってきて、あまり変形しなくなるのでゴロゴロやって丸く形を整えるのはやりやすくなってきます。あまり完璧を狙っても使い心地にそんなに違いは出ない感じなので、ほどほどでやめます。
60分で一応硬化しますが、最終硬度になるまでには24時間ほどかかるので、成形作業が終わったらタイヤを宙に向けて丸一日放置しておきます。
仕上がりの外見
「え?こんなダサいの?」という感じです(笑)。色を塗ればいいかもしれませんが、転がしているうちに禿げてしまうので意味ないかな?と思うのですが(そうでなければタイヤが減ったりしない)。パテはゴムタイヤのような柔らかさがないので、ゴロゴロと引きずった時わりと音が大きいです。「ゴム用パテ」があればいいんですけど…、一番やわらかいものがこの「プラ用」なわけです。
なにはともあれ、磨り減ったタイヤの修理が完了。次回の奈良旅行をお待ちください
だいぶ時間が経ちましたが、奈良旅行に行ってきまして、無事問題なく使えました。
返信削除パテが割れてとれてしまう可能性を危惧していましたが、全く問題なしでした。