Field Tools
Samyang 7.5mm F3.5 UMC FISH-EYE MFTでパンフォーカスになる範囲とか、オリンパス M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm Macroでピントが合う被写界深度とかを知りたい時が出て来ました。
漠然と絞って、撮ってみて、結果を見て「ボケてる」とか「もっと絞らないと」とかいうだけじゃなくて、計算で「ここからここの範囲にピントがあうはずだ」というのを知りたくなりました。特にSamyang魚眼はMFだし、0.25mより遠くに目盛がないので、それより先はピントリングで距離を大体あわせておくことができません。手を伸ばして撮影する時とかは背面モニターやEVFできっちりピントがあっているかどうかは見えないので事前に被写界深度に入るように手近なものを使ってピント合わせをしておいてから使いたくなります。
そこでiPhoneのアプリで、こういう計算をしてくれるものを探してみました
そうしたら
というのがひっかかりました。これは無料アプリ。さっそくダウンロードしてみましたが、悪くないです。
使い方
カメラ(=センサーサイズ)の種類が選べるようになっていて、そこに自分で名前が付けられます。オリンパス E-M5と名前をつけて、種類は「Olympus 4:3」を選べばよい(これで、許容錯乱円が指定される)。登録は複数出来ます。
レンズも同様に複数登録出来、名前をつけて登録出来ます。焦点距離、最大絞り(明)と最小絞り(暗)が設定されます。
登録を済ませたら、設定画面でカメラとレンズを選んでから、メインの画面で絞りを選んで、フォーカスの距離を選ぶと、手前(Near)被写界深度、奥(Far)被写界深度、手前+奥(Near+Far)被写界深度ともう一つ、パンフォーカスになるフォーカス(Hyperfocal)距離が計算されます。
距離は、マクロ、短距離、中距離、遠距離の四つのレンジがありフォーカス距離のスライダーの粒度がこれで選べます。設定画面で選びますが、フォーカス距離のスライダーのすぐ下に薄い字でレンジ名が出ていますのでここをタップするとレンジ選択メニューを出すこともできます。距離の単位は、フィート、インチ、メートル、センチメートルが選べますですので、日本人だと風景撮影でメートル、マクロ撮影でセンチメートルを選ぶだろうと思います。
フォーカス距離のスライダーは、iTunesの音楽プレーヤーの再生位置の指定のように、スライダーの丸いボタンを指で押さえてから、まっすぐ画面下方へ指をずらすと、ずらした距離に比例して、指の左右の動きに対してスライダーの動きが細かくなります。数字を細かく追い込みたい時には指を下へずらしてから横へ動かすと微調整できます。
パンフォーカスの計算(過焦点距離)
パンフォーカスの計算というのはどういうものかというと、選択した絞り値Fに対するフォーカスの距離が出てきます。この距離のところにレンズのピントを合わせると、奥(Far)の被写界深度がちょうど∞遠までカバーされます。つまりこのピント位置から後ろ全部にピントが合います。このフォーカスの距離を「過焦点距離」と言います。
一方、手前(Near)被写界深度は、必ずフォーカス距離の1/2になります。ですから、距離Lから∞遠までの範囲をパンフォーカスにして撮りたければ、ピント距離2Lのところが過焦点距離になるようにFの値を変えて再計算をさせていけばいいわけです。
昔のレンズは被写界深度目盛があった
絞りリングがついている昔のレンズですと、時々、被写界深度の範囲をしめす線が、ピント合わせマークの左右にF値ごとに引いてあったりします。パンフォーカスにしたい場合、設定した絞り値に対応する右側(∞遠側)の被写界深度の線にピントリングの∞マークを合わせてやると、これがこの絞りの時に∞遠までピントが合う過焦点距離にレンズが設定されたことになります。手前側のパンフォーカスの範囲は、左側(距離0の側)の被写界深度の線が指しているピントリングの距離の数字のところとなるのです。
このように昔のレンズだと直感的、アナログ的に被写界深度の把握やパンフォーカス設定を出来ましたが、今の完全電子制御のレンズでは絞りはファインダーの中に数字で出るだけなので、計算結果の数字を使って考えないといけなくなりました。これって、EVFに電子的に被写界深度の線と距離を出させたりする方法は出来ないでしょうかね。フジがEVFでスプリット式ファインダー「風」なMFを出したように。
0 件のコメント:
コメントを投稿