2017年3月24日金曜日

森脇先生による GH5フォトセミナー @ビックカメラ池袋東口カメラ館

前田遥香
モデル: 前田遥香

にビックカメラ池袋東口カメラ館へ「"森脇先生による GH5フォトセミナー" ~パナソニック LUMIXミラーレス一眼~」(Internet Archive)を受けに行きました。講師は森脇章彦先生。モデルは前田遙香さん。

パナソニック DC-GH5発売を翌木曜日に控えた三連休の中日でした。

内容は写真撮影の基本についてカメラの設定、各種モード選択、絞りやシャッター速度の決定の仕方の視点から解説するものです。そこに加えて実機として発売直前のGH5のデモ機が数台用意されました。参加者は講義中にこれを触って、設定や動作などを実体験、後半はモデルを実際に撮影してみました。パナソニックの通例通り、データの持ち帰りは不可。

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会場は、カメラ館8Fのセミナールームでした。

2回とも満員。池袋駅近くということで埼玉方面の方が来やすいのでしょうか。あるいは「定員制」となると埋まりやすいのでしょうか。当然GH5の試してみたいという方が多かったです。今回は結構試してみることができたと思います。特に特殊撮影機能となる6K/4Kフォト(連写)とか、LUMIX独特な「カスタムマルチ」(AFエリアの範囲、位置をユーザーが自由に決められるモード)などは解説とともに撮影用の環境(モデルさんの動き)が必要ですので、このような機会があると特長を体験しやすいと思います。

前田遥香 前田遥香 前田遥香 前田遥香 前田遥香 前田遥香 前田遥香
E-M1 Mark II + LEICA NOCTICRON 42.5mm
モデル: 前田遥香(晴香)

GH5で撮ったものはデータを持ち帰れないので、ここでは私が持ってきたオリンパス OM-D E-M1 Mark II + パナソニック LEICA DG NOCTICRON 42.5mm/F1.2 ASPH./POWER O.I.S.で撮影した写真のみとなります。

RAWからの現像ではなくJPEG撮って出しです。WBは5200Kですが、この数字ではどうも少し低かったようです。EVFをみながら選んだのですが、EVFの癖がなかなかつかめていません。オリンパスはWBを色温度で指定した場合、A、Gの色バランス調整ができません。プリセットWBの時はできます。この「伝統」はそろそろ終わりにして、E-M1 IIの今度のファームウェアアップデートで実装してくれないだろうか、と思います。

E-M1 IIが出て以来初めての前田遥香さんの撮影です。ISO感度が高くてもノイズの感じは少ないです。この傾向はGH5でも感じられました。

NOCTICRONとの組み合わせはなかなかいい感じがします。5軸シンクロ手ブレ補正は作動しないわけですが(通常設定だとボディー内手ブレ補正が作動)このレンズは通常そこまで手ブレしやすい環境で使わないと思うのでそれほど大きなデメリットでもないと思っています。

「顔・瞳優先AF」を使っています。E-M1の時と違って顔認識の速度が速く、認識待ちを意識せずにシャッターが切れます。瞳認識(瞳優先)は以前も書いたように、AF動作させないと(シャッター半押し)瞳に合っているかどうかわからないところが大きな欠点です。瞳に小さな緑の四角い枠が出るのですが小さいのでほとんど気づかないです。そもそも半押し→全押しが一瞬なので表示時間も短いです。ここらへんは常時大きな白の十字が出るLUMIXのUIが断然優れています。

しかし、瞳認識の精度は以前より劇的に向上していてほぼ外していることはありませんでした。LUMIXと比較しなければ、これと言った欠点はありません。瞳認識がないカメラで、しかも位相差AFで撮っている時の打率から比べれば格段の差だと思います。また瞳を狙ってAFすることを完全に機械に任せていて自分は構図やシャッターチャンスだけを考えていればいいというのも劇的な差です。E-M1 IIユーザーも人の顔を撮る時は「顔・瞳優先AF」で撮るべきです。(講演会などの演者の撮影でも「顔・瞳優先AF」を使うメリットはあります)

前田遥香 前田遥香 前田遥香

今回のセミナーはGH5を使っていますがGH5の紹介にとどまらず、よい写真を撮るための話となっていました。これは以前'15年11月にこのビックカメラ池袋東口カメラ館で森脇章彦先生が行ったセミナーと共通しています。ビックカメラ池袋東口カメラ館のセミナーはこういう傾向があるのかもしれません。

森脇先生の特長は「デジタルカメラの性能を出し切る」ための話にあると思います。今回だとGH5(LUMIX、ミラーレス、デジタルカメラ…)の特長を発揮させる使い方は何かということを、フィルム時代のカメラとの対比も織り交ぜながら解説、指導されるところが特長だと思います。

「芸術家の先生の感性の解説では、デジタルで撮れた気がしない」人には、森脇先生の解説は、芸術と技術にまたがった「missing link」のところを解説しているので参考になると思います。

  • 今の明るい単焦点は開放から2/3段絞った辺りが光学性能が最高になる。フィルム時代と違って、絞ればいいと言うものではない
  • 高解像度センサーの時代なので、被写体ブレが写り易くなっている。人の頭皮の下の筋肉で髪が動いてブレるのが写るくらい。もはやポートレートはS優先モードで、1/250s以上(1/320sや1/500sを考えていい)で撮らないと髪が解像しない。ISO感度は上がっても気にしない。(通常絞りを開こうとするので、開放方向になるはず。ISO感度が最低になっても絞られていたらSSをより高速に設定すればよい)
  • 風景撮影でももはやS優先モードの時代。なぜなら葉が風でブレる。1/2000sなどの高速シャッターで。各社の高解像度センサー・モデルのカタログの作例の撮影データのシャッター速度に注目(高速シャッターのことが多い)
  • 今、明るい単焦点レンズが出てくる理由は「ボケ」ばかりではない。暗いところでも高速シャッターを切るため
  • もはやミラーショックとシャッターショックが写ってしまう高解像度センサーの時代。シャッター速度1/60s〜1/320sは一番揺れる速度なので避ける。電子先幕シャッター、電子シャッターの使用も揺らさないための選択肢(各社の高解像度センサー・モデルのカタログの作例でも電子先幕シャッターが使われていたりする)
  • 高解像度センサー・モデルではシャッターショックが写らないようにするのが大変。しっかりした三脚を使う必要がある。手持ちは、プロでも難しい。シャッターショックが大きい高画素センサー・モデルもある。そうなると、シャッターショックが写らないように撮ることはなかなかできない。高画素の意味が無い
  • ブレ無し、ピントばっちりならば、ノイズは意外とよく落とせる。Lightroomでブラウズして、プラグインで各社の現像ソフトに投げてノイズ処理。書き出しをPhotoshopというworkflow。現像ソフトは、自分の好みや、シーン別にノイズ落としが得意なものがあるのでそれで選んで使う
  • AFの合焦音1、AF合焦マーク2は消す(LUMIXはAF合焦表示は消せない)。合焦音が鳴る(=半押し)と一旦指が止まってしまう。合焦音が鳴る半押しはAFロックなのでピント位置はそこで固定される。半押しから全押し(撮影)までに間があると被写体が動いたり、自分がブレたりしてせっかくのピント合わせが無駄になる。場合によっては「シャッター半押しレリーズ」をオンで使うことも選択肢。モデルが合焦音で動いているというのは、モデルが「撮らせてくれて」いるということ。こちらが指示したポーズではない
1
電子音
2
フォーカス表示: ファインダー上隅の緑の。ただしLUMIXはフォーカス表示は消せない

この日は午前にフジヤカメラへ「オリンパス x パナソニック マイクロフォーサーズ祭」(Internet Archive)をみに行きました。

両社の主力製品が並んでいて、昔のCMが流れていました。

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