に上野の国立科学博物館へ「特別展『世界遺産 ラスコー展~クロマニョン人が残した洞窟壁画~』」(公式ページ)を観に行きました。
この特別展は、フランス政府公認のもと制作された展覧会「LASCAUXINTERNATIONALEXHIBITION」の巡回に日本独自のコンテンツを加えものだそうです。
もとの展覧会では「ラスコー」はある程度知られているという前提で作られているそうなので、日本ではそれほど知られていないのでそこを補っているという話のようです(TBSラジオ)
会場内は撮影OK。(撮影禁止の指定がある展示品もあります)
入ってすぐにクロマニョン人の復元像。かなりリアルです。しかしやっぱりフランス人風な顔をしていたのでしょうか?
ラスコー洞窟に壁画が描かれた時代は今から約2万年前、旧石器時代にあたります。
日本の縄文時代は約1万6千年前から始まります。
ラスコー洞窟の発見は'40年、戦前です。その後見学者が多すぎてカビが発生するなどしたため'63年に閉鎖。今では研究者も入れないことになっています。これは日本の高松塚古墳壁画と似ています。50年近く前にこの例があったのに、高温多湿の日本でなぜ同じ問題を起こしてしまったのでしょうか。
昔、学校で、ラスコー洞窟に人が住んでいて、昼間狩りをし、夜洞窟で絵を描いていると習ったような気がしますが、今回の展示では実は「洞窟は住むところではありません」と書かれていました。わざわざ洞窟に入って絵を描いたわけです。
ここからが白眉。正確に洞窟の様子を再現した実物大のデジタルコピー。写真では少し明るいですが、実際は非常に暗くなっています。そしてしばらくすると暗転して、レーザーで線刻されている輪郭線だけを映し出します。
「褐色のバイソン・ヤギの列・ウマの列」(身廊の壁画)
「黒い牝ウシ・ウマの列・謎の記号」(身廊の壁画)
「背中合わせのバイソン」(身廊の壁画)
洞窟の展示室はこんな感じ。
クロマニョン人の時代にいた動物として大きなオオツノジカの骨格標本がありました。
再びクロマニョン人の復元像。これもフランス人風。この時代に糸を通す針が使われていたことが発見されていて、皮を縫って服を作っていたことがわかっているそうです。
投槍器の説明です。
展示の中にこの「投槍器」というものがいくつか出てきます。なんだろうと思っていたらこういう解説がありました。クロマニョン人と一時期ダブって生存していたネアンデルタール人の方が筋肉が多くて体格がいいのですが彼らは投槍器を使っていませんでした。クロマニョン人は力が弱いのを投槍器を発明して補っていたわけですが、その結果獲物の動物との距離がとれるので獲物に逆襲される危険性も減っていたわけです。
展示順路の最後のところで、日本列島の人類の様子が俯瞰的に解説されていました。
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