先週の「フォトパス感謝祭 2013☆グランプリ作品展☆」の販売会で思わず買ってしまったのがこのMeFOTOの三脚(株式会社ワイドトレード)
今使っているベルボンのULTRA REXi Lが、最近重たいな…と思っていたので、替りの三脚を気にしていました。
- 全伸長高(脚もエレベーターも全部伸ばした高さ)が私の目の高さ以上
- なるべく軽い(今のベルボン ULTRA REXi Lが1.92kg。ただし雲台を取り替えているので多少重さは違う。単独で持っている時は重くないがザックに着けてるとザックがすごく重い)
- 折りたたんだ長さはそんなに気にしてない(取り立てて短い必要はない。現状で旅行かばんに収まっている。もっと短いとザックの固定ベルトに届かなく収納できないので逆に困る)
- トキナー Reflex 300mmでの安定性まで気にするか、しないか悩むところ(これ以上長いレンズでは車に三脚を積んで撮影のためだけに移動するのでもっとごつい三脚がある)。
- 梅本製作所の自由雲台とクイックシューはちょっとオーバークオリティーなのかな、と思い始めている。 ミラーレスには大きい(もう一回り小さいモデルを作ってくれとリクエストしたことがあるが、とにかく「最高の制振性能」しか興味が無いようだ)し重たい気がしている(160g)
- 安い方がいい(カメラを載せるものだからカメラと同じ値段を出せ、というのもわかるけど…)
こんな感じで時々物色していたのですが、中々見つかりません。ジッツオは高額なのですが、高さが低いのでした。各社ともカーボンが意外と軽くない(軽さより「硬さ」でメリットがあるのかもしれないが)。
MeFOTOをみても食指が動かなかったのですが、フォトパス感謝会でたまたまコーナーを通りかかった時に、ひやかしらしい二人組のおじさんがこの三脚を「意外といいねえ」といいながらポンポンと質問をしていくのが聞こえたのでそれをみていると、 社員が中々うまい答えをしていくのでした。みると小型なので軽そう。触ってみると思ったよりも安定しているっぽい。…と、ついセールストークにつられてしまった感じがあります。
「フォトパス感謝祭」会場には見本が展示されているだけで、購入商品は週明けに本社から宅配で送られて来ました。
外観
外箱はなかなかいいセンス。キャリングケースも上質、クッション入り。ストラップの長さ調整で余った端の部分がぶらぶらしないようにマジックテープのベルトでまとめておけるようになっているなどは日本メーカーでも最近はやらない細やかさでびっくり。
段数 | 最大パイプ径 | 全伸長 | 伸長 | 最低高 | 収納高 | 重量 | 耐荷重 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
4 | 25.2 mm | 1590 mm | 1330 mm | 430 mm | 430 mm | 1.66 kg | 8 kg |
使用感
冷静になると、ベルボンのULTREKシリーズとかULTRAシリーズでも同等スペックなものがあるので、 とりたてててMeFOTOが小型、軽量というわけでもありません。値段は少し安いかもしれません。
石突きなどは日本メーカーだとゴムと金属スパイクとが一体の切り替え式(ゴムの石突きを回すと中心からスパイクがせり出してくる)だったりします。ただちゃんとスパイク型石突きも同梱してくるところはユーザーの利便性を考えています。
脚部ロック機構
脚部の開脚度のロック機構は、開脚度が二段と180度折りたたんだ状態の合計三段のロック位置があります。各段でロックがクリックするようにはなっていません。全開か全閉しか止まらず、一番使う開脚度中のロックは勘で中間位置にします。 一番簡単確実に開脚度中(通常の開脚状態)にするにはロック全開で脚を曲げて、近い角度になったらロックを押し込むとロックが中間位置で止まるので、 その状態で足の角度を広げる方へ戻していってしっかり開いて止まるところを探します。日本メーカーだとロックが開脚度に合わせてバネで自動的にカチン、カチンと切り替わり、簡単に各段階で開脚位置をロックできます。
他の造りの品質の高さから、ここら辺の作りの簡略さは技術の無さではなく、組み立てコストを避け商品価格を下げたいからではないかという感じがします。それとも、精巧な設計や自動機械のコントロールなど、少数エリートで行えるものは日本並でもラインの工員に精密な組み立てをさせられるほどの人材は確保できないのでしょうか。
脚伸縮
脚の伸縮のロックは回転式のナットロック。ナットのゴムの感触も大変良く、解除の回転角も少なく手首でひねることで確実に開け閉め出来ます。縮めている時はナット三つをまとめてつかめるので一気に三つとも緩めることが出来ます。 脚の出し入れは大変スムーズで、ロックを緩めると自重できれいに伸びます。
ロック三つをまとめて掴んで、手首でひねる。脚を真下に向けると自重で伸びる。各ナットロックをちょっとひねるとロックされる。
この脚のスムースさは大変よいです。ナットロックの回転角も少なくて扱いやすいです。
一脚機能
ラバーグリップの巻いてある脚がネジ式になっていて外せるようになっています。
センターボールの底部のストーンバッグ用のフックのついている「栓」をネジって外すと、センターボールを引き抜く事ができます。センターボールのこの底部に外した脚のネジがはまるようになっていて、一体になって一脚になります。
旅行で、昨日は三脚を使ったが今日は三脚は使わない。けど保険で一脚を持っていくというような時に三脚と一脚の二つを持って荷物にしないで済ませられます。
ストーンバッグ用フック
センターボール底部にはストーンバッグ用のフックが付いています。バネで奥へ引っ込んでいるので指で引っ張りだして、ストーンバッグやザックなどをぶら下げます。
フックが引き込み式なのは中々細かい配慮です。
センターボール逆付け可
センターボールが分割式でないため最低高がやや高くなります。
センターボールは引き抜けて逆付け出来るので、これでカメラの高さを低くすることで対応します。
クイックシュー
クイックシューはアルカスイス風(互換性があるかどうかは不明)。ネジはタブがないので別途ねじ回しの類が必要なのは惜しい。
クイックシュー・プレートの裏面にはロックを緩めた際に重さで滑って脱落しないように脱落止のピンが出ています。
雲台
この雲台でユニークなのは、大型のテンションコントロール・ノブ。これは雲台のボールの動きの固さを調整します。載せるカメラの重さに合わせてテンションコントロールを設定することで、重さでおじぎしないけれども手で動かせる固さに出来ます。
一方ボールヘッドロックノブは雲台のボールヘッドを固定します。このノブだけがある雲台が普通だと思います。この雲台ではこのボールヘッドロックノブを全開に緩めてもテンションコントロールでおじぎしないように固くしてあるため、このノブは神経を使わずに、締めるか開けるかだけすればよいわけです。
これはなかなか使いやすいです。テンションコントロール・ノブには目盛が付いているので、調度よい固さはどこかを知ることが出来ます。カメラを外した時はテンションコントロールを0にして雲台をグラグラにして扱いやすくします。 カメラを取り付けたらテンションコントロールを適切にし(目盛を覚えていれば一発でセット)、角度の調節などをします。おじぎしないので手を離しても問題ありません。
位置が決まったら、ボールヘッドロックノブの方を締めてボールヘッドを固定します。カメラの角度を変えたくなったらボールヘッドロックノブを全開に緩めるだけでよいわけです。
ここらへん、取扱説明書の記述と違いますが、取扱説明書は少し日本語がおかしい感じもあります。この使い方は「フォトパス感謝祭」会場でメーカー(輸入代理店)の人に聞いたものです。
安定度
肝心のブレですが、それなりという感じ。いつも撮ってるベランダから遠くに見えるビルに向けてみましたが、ピント合わせの時にレンズを触ると揺れる感じはまあまあ。ベルボンのULTRA REXi Lより脚が一クラス細いので、それなりの揺れ具合。
ミラーレンズで試したので元々解像度がないためはっきりしませんが。
感想
性能は、クラスなりということで、よくもなく悪くもないという印象。私の場合180度折れる脚にしてまで5cmほど短くするメリットはない(これが2/3とか半分になるというなら別だが)のでそこは微妙。雲台回りにオリジナリティーがあってここは非常によい。キャリングケースも上質。値段は安い。
現在のベルボンより300gほど軽くなり、少し細くなるので、しばらくはこれを使ってみます。
0 件のコメント:
コメントを投稿